ちゃんと食べて、ちゃんと癒されたい。
< 日々のごちそう >
「ごちそう」という言葉には、どこか特別な日の響きがあります。
でも、みやこが目指しているのは“日々の中のごちそう” 。高級な食材や華やかな盛りつけよりも、
「ちゃんと作られたごはん」を「ちゃんと食べる時間」こそが、ほんとうのごちそうだと考えています。
炊きたてのごはん、焼きたての魚、だしの香る味噌汁。
そんな当たり前のようで実は贅沢な日常をここ倉渕で味わってもらえたら――。
それが、みやこの “日々の中のごちそう” です。

< 祖母の味 >
みやこの味の原点には、祖母の台所があります。
昔から変わらない手つきで、出汁を取り、魚を焼き、漬物を漬ける。
その一つひとつの所作が、私にとって料理の教科書でした。
祖母が大切にしてきたのは、祖父の口ぐせでもある「人間は食べることが資本だ」という言葉。
じいちゃんは今でも、ばあちゃんに胃袋をつかまれています。
そんな “家庭の中のごちそう” を、今もお店の一皿一皿に込めています。

< 岩手とのつながり >
祖母の実家がある岩手県・宮古市。
そこから届く新鮮なサンマやいくらは、みやこの味を支える大切な存在です。
けれど震災の津波の影響や海水温の上昇によって、昔は当たり前に獲れていた魚たちが、
今ではなかなか手に入らなくなりました。
それでも、祖母の原点である岩手の魚にはこだわりたい。
メニューは少なくなっても、「岩手の魚です」と胸を張って出せる料理を作りたい。
漁港から直送される海の恵みは、山の中にいる私たちに “海の香り” を運んでくれます。
それは祖母の故郷とのつながりであり、みやこの “もうひとつの原点” です。
山と海。遠く離れていても、心でつながっている。
そんな温かい循環の中で、今日もみやこのごはんは生まれています。

